ベルギー留学中の学生広報チームのメンバーが、現地で行われた「神戸大学ブリュッセルオフィスシンポジウム」について取材しました。「神戸大学ブリュッセルオフィス」が日頃どんなことを行っているのか、そして、このシンポジウムの詳細とは・・・?
11月21日、第8回神戸大学ブリュッセルオフィスシンポジウムが、ベルギー・ブリュッセルで開催されました。昨年に引き続き、ブリュッセル自由大学(蘭語系)との2度目の共同開催のもとで行われた今回は、社会科学と自然科学の分野からそれぞれ2つずつ、あわせて4つのセッションに分かれ、幅広い分野の研究成果の発表とディスカッションが行われました。多くの教授や研究者が集まって研究成果を発表し合う場ではあるものの、学生にとっても非常に興味深く、勉強になる機会であるため、留学される学生にはぜひ知ってもらいたいと感じました。
今回はこのシンポジウムに携わられた、油井清光学長補佐(国際連携担当)、吉田健一ブリュッセルオフィス所長・科学技術イノベーション研究科教授、Patrick Vittet‐Philippeブリュッセルオフィスアドバイザーにインタビューをさせていただきました。
――—このシンポジウムの目的を教えてください。
吉田所長:このシンポジウムの目的は、①ヨーロッパにおける神戸大学の存在を広めること、②ブリュッセル自由大学との協力関係の促進、③このコラボレーションのより実践的な形を探し求めることの3つだと考えています。また、取り扱うテーマのバランスも大切で、今年は社会科学と自然科学の分野からそれぞれ2つずつのテーマを取り上げることができました。今年は最も成功したシンポジウムの1つだと思います。
I think the main purposes of this symposium are these three things: 1. To emphasize the presence of Kobe University in Europe, 2. To facilitate collaboration with VUB, and 3. To explore more practical ideas of collaboration. In this symposium, it was also important that we try to create a balance between the areas of study. This year we succeeded in organizing two themes each from the areas of social science and natural science. The symposium this year is one of our most successful to date.
Vittet‐Philippeアドバイザー: このシンポジウムの役割は視野を広げ、双方のプロジェクトをよりよいものにすることでもあります。神戸大学にとってこのシンポジウムはヨーロッパでの一番大きなイベントなので、多くのヨーロッパの機関や大学と素晴らしい関係を築くことができます。これに加えて、神戸大学とヨーロッパの教授のビジネスミーティングの場でもあります。神戸大学からヨーロッパにまたがるプロジェクトをスタートさせるとともに、協力関係を築ける新しいパートナーも見つけることができたらと思います。
I think the role of this symposium is also ensuring visibility and developing bilateral projects. This symposium is the biggest event in Europe for us, so we are able to establish great relationships in terms of communication with many communities, of course, such as European institutions or academic science technology chancellors. Besides this, it’s an opportunity for business meetings between the professors from various disciplines in Kobe University and their European counterparts as well. We’d like to develop Europe-wide projects starting from Kobe University and identify other partners in the potential areas of cooperation.
油井学長補佐:このような大きなシンポジウムは神戸大学の視野を広げるという点で大切な役割を果たしています。このシンポジウムの結果、参加した神戸大学の教員は共同研究などほかの機関とのつながりを持てるようになります。交換留学の協定先を探す機会でもあります。
Yes, such a big symposium has a very important role for the purpose of enhancing the visibility of Kobe University. As a result of this symposium, we are able to seek out opportunities for joint research and connection with other institutions. We also look for guidance in making exchange agreements and identifying the best host institutions for Kobe university students.
――—シンポジウムの今後の展望を教えてください。
Vittet‐Philippeアドバイザー:多くの国や機関からの研究者が参加した今年は特にシンポジウムの内容が良かったと思います。来年はより大きく、よりよいシンポジウムにしたいです。また、ほかの大学ともより親密な関係を築き、このシンポジウムを行いたいです。
Researchers from many countries and institutions participated, and the quality of the symposium was particularly good this year. The target for next year’s symposium is to make it even bigger and better. Besides this, I also hope to work more closely with other partner universities.
油井学長補佐:私たちがここブリュッセルで築いた研究者や学者との深いつながりを生かして、より高度な学問性を持った活動を行っていきたいです。来年は、より記憶に残るシンポジウムにしたいです。
By utilizing the deeper connections with researchers and scholars worldwide that we can get in this city, we are enhancing academic activities on a much higher level. For the next event, I hope that this Brussels symposium will be even more memorable.
――—神戸大学ブリュッセルオフィス(KUBEC)の役割は何でしょうか。
Vittet‐Philippeアドバイザー:KUBECは2010年に創設され、オープニングイベントには欧州理事会の議長を務めたヘルマン・ファンロンパイ氏といったたくさんの主要な方々が出席しました。そのため私たちはブリュッセルにおいて確固たる地位を築いています。神戸大学ははじめてブリュッセルにオフィスを持った日本の大学です。なぜブリュッセルかというと、多くのヨーロッパの機関が集まり、ベルギーの大学が一番集中している場所だからです。また多くの研究プロジェクトが行われている場所でもあるからです。
KUBEC was established in 2010. The opening was attended by many important people such as former president of the European Council, Mr. Herman Van Rompuy. So we have a permanent presence in Brussels. Until 2016, Kobe was the only Japanese university with an office in Brussels. Why Brussels? Because it has many European institutions and it’s the place that most of the Belgium universities are concentrating on. In addition to that, many research projects are conducted here.
油井学長補佐:KUBECの目指すものは視野を広げ、ヨーロッパにおいて神戸大学の地位を確立することです。これまでKUBECは、イベント・ワークショップ・大規模なシンポジウムを企画しながら、神戸大学の教授や職員をサポートする役目を果たしてきました。これに加えて、他大学との交換留学の協定も結んできました。今あなたたちが留学できるのはKUBECが行ってきたことの成果でもあります。Vittet-Philippeアドバイザーもおっしゃっていましたが、ブリュッセルにオフィスを持つことは日本の大学の中では特別です。ヨーロッパの大学との強いつながりにより、神戸大学は特別な活動ができ、日本でも珍しい地位を築いています。
The basic aims of KUBEC are enhancing visibility and entrenching the presence of Kobe University in this area of Europe. Traditionally, the mission of KUBEC is organizing events, workshops, big symposia and also providing different kinds of support for professors and colleagues in Kobe University. Besides this, we also organize exchange agreements with other universities. What and where you can study abroad now is kind of an outcome of KUBEC. As Mr. Vittet-Philippe already said, having an office in Brussels is very unusual for a Japanese university. Kobe University has strong ties with European universities, so these strong ties help our University to do special activities. This gives us a unique position in Japan.
――—神戸大学から海外へ留学する学生にアドバイスをお願いします。
吉田所長:楽しんでください。そしてあなたのやったことに誇りを持ってください。最後に、仕事だけでなく、あなたの人生をプロフェッショナルなものにしてください。
Enjoy yourself. Be encouraged, and be proud of your achievements. Finally, be professional about your life, not just your job.
Vittet-Philippeアドバイザー:留学という経験は必ずあなたの視野を広げます。成長できる良い経験になり、留学を通してたくさんのことに気づくことができるでしょう。大変なことを乗り越えればあなたは強くなります。楽しんでください。たくさんの人々、グローバルな人々と話してください。今の時代はSNSを通して簡単に出会った人々とつながることができ、その輪を広げることができます。生活はとても豊かになったし、今後はもっと豊かになっていくでしょう。 学生の皆さん、もし何か質問があったらいつでもKUBECに来てください。ヨーロッパに来たらたくさんのサポートとアドバイスをもらうことができるはずです。
The experience of studying abroad definitely opens your eyes. It’s a good experience that makes you grow up, and you will discover many things too. Overcoming difficulties makes you stronger. It’s a personal stage, so enjoy doing it. Please talk to a lot of people, global citizen. Now you have easy access to a lot of the people you met through SNS, so you can keep in touch with them and expand relationships. Your life is richer. And it will become even more richer than now. For students, if you have any questions, you are welcome at KUBEC anytime. When you come to Europe, you can receive a lot of support and logistic advice.
――—ありがとうございました。
◯取材を担当した学生のコメント
経済学部3年 杉岡 祐依
大変貴重なアドバイスをいただき、お忙しい中取材をさせていただけたことに感謝しています。今後もたくさんの方々への感謝を忘れずに頑張っていきたいと感じました。