神戸大学学生広報チーム・活動報告

メンバーが取材した神戸大学の情報をお届けします!

【取材報告】自然科学系図書館リニューアルオープン 今までにない神大図書館

2023年4月3日、自然科学系図書室がリニューアルオープンしました。この記事ではオープン時の記念式典に参加した学生広報チームの一員がその魅力に迫ります。

―記念式典にて

 リニューアルオープンを喜ぶかのようにサクラの花びらが舞う中、自然科学系図書館の記念式典が行われました。まず藤澤学長と土佐附属図書館長のご挨拶後、図書館前においてテープカットで自然科学系図書館の完成を祝いました。

 記念式典には、関係者や学生が出席しました。藤澤学長は「総合大学としての強みを活かし、知と人を創る異分野共創を試み、産学官民連携をはじめとする社会との連携を積極的に押し進めている神戸大学で、先端基礎研究を提供・保存するハイブリッド図書館として新しくなった自然科学系図書館が教育・研究に重要な役割を果たすと信じています」と挨拶しました。土佐館長は「皆様のご協力のもと完成できたことを嬉しく思い、感謝申し上げます。改修工事を経て文理融合を越えた異分野共創研究教育グローバル拠点として神戸大学にふさわしい図書館となりました。皆様に親しまれご利用いただける図書館となることを願っています」と述べました。

左から、櫻井徹前附属図書館長、土佐幸雄附属図書館長、藤澤正人学長、
大村直人理事・副学長、吉田潔理事・事務局長、学生チームULiCSの中西代表

―見学会にて

 実際に図書館の方に案内していただき、新しくなった自然科学系図書館を見学しました。4階と3階が以前の図書館とは全く異なっていたため、是非とも足を運んでほしいと思います。ここでは、見学した順に各コーナーについて紹介していきます。

4階

イノベーションスタジオ:70名~90名収容でき、多目的なプレゼンテーションを行うことが可能になっています。スクリーンがあるため動画を再生することもできます。

・オープンスクエア:ポスター・展示の場としても使用できる場となっています。

コラボレーションルーム:シックでモダンな会議室となっています。

・ホワイエ:自販機も設置していて待ち合わせや休憩所として利用できます。

・教職員会議室

3階

・畳の空間:椅子に座るばかりではなく足を延ばして勉強することができる空間を創りたいという思いから作られたものだそうです。

・オンラインポッド:完全なる密室とはなっていませんが簡単なテレワークスペースとして使うことができます。

・サイレントスペース:集中して、普段の図書館のような空間で勉強する最適な場所です。パソコンは利用可能となっています。

・ラーニングコモンズ:ホワイトボードが置いてあり、意見交換を行いながら理解を深めることができるようになっています。また、一人で利用する際には、仕切られたスペースがあるため個の空間で勉学に励むことができます。

3階

3階  畳の部屋

2階・1階

本・雑誌や理学部、工学部、農学部の蔵書が主となっています。

2階の中庭は飲食スペースとなっており、簡単な軽食をとることは可能だそうです。

 図書館の方も、「今まで【図書館=勉強する場所・本を借りて読む場所】という座学的な印象が強いですが大学の方針である異文化共創のコラボレーションになるような【進んでアイデアを出す場】に変わりました」と嬉しそうに話しながら案内してくださいました。

 

―早速図書館を利用していた学生へインタビュー

 3階のラーニングコモンズにホワイトボードを使いながら意見を出し合い、勉強している理学部新3回生の姿がありました。ホワイトボードに並ぶ数々の公式に圧倒されながらも突撃インタビューしました。学生の一人は、「せっかくなので新しくなった図書館を利用してみようかなと。勉強できるスペースが多くなっており、全然違ってびっくりしました。コロナ禍であったこともあり、話し合うことのできる場所が少ないと感じていた中、大々的に意見交換ができるスペースが増えて嬉しいです」と話していました。

理学部新3回生の勉強の様子(3階ラーニングコモンズにて)

―取材を担当した学生のコメント

 まず、自然科学系図書館が「The 図書館」から「居心地の良いコミュニケーションがとれる空間」に激変していたことに非常に驚きました。蔵書や本・雑誌をスタイリッシュに収納し、スペースを有効活用することによって積極的に意見交換できる場が誕生していました。リラックスして勉強し意見交換をすることによって自身を深めることができる場を提供して下さり、非常に嬉しく思っています。図書館好きな私にとって感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。また、自然科学系図書館は附属図書館の中でもアクセスが良い場所にあるので文理問わず利用してほしいです。SDGs関連など、文系・理系の学生が意見を出し合える空間を作り、そこで生まれたアイデアを発信・実行に移すことで、社会にも貢献できる拠点となる可能性を秘めているのではないかと思いました。様々な方が話し合い、知見を深めている姿を想像すると夢が広がりますね。

 1年以上にわたる改修工事を終え、2023年春から利用可能になった神戸大学自然科学系図書館。新学期が始まり、新たなスタートを切る学生たちにとってこの場が支えとなり、ますますの活躍の基盤となることを祈っています。

(経済学部4年・伊藤)

 

関連リンク

自然科学系図書館 | 神戸大学附属図書館 (kobe-u.ac.jp)

【取材報告】神大をより魅力的に!『みんなの神大実現プロジェクト』

 2022年9月、「神戸大学における多様な性・ジェンダーに関する基本方針とガイドライン」が制定され、「神戸大学における学生の通称名等の使用に関する要項」が施行されました。

 そんな中、LGBTQIA+を含めた誰もが過ごしやすい大学を目指して、精力的に活動する団体「みんなの神大実現プロジェクト」の伊東さん、神田さん、久保さん(以下、敬称略)に取材しました。

団体SNSに投稿された写真

――まず、「みんなの神大実現プロジェクト」の活動内容を教えてください。

久保:「みんなの神大実現プロジェクト」は、神戸大学を、LGBTQIA+を含めた誰もが学びやすく、働きやすく、過ごしやすい大学にするための活動をしています。たとえば、大学の先生や部署・団体に対して要望書や改善案を出したり、イベントに出展したり、学生のニーズや他大学での実施例を調査したりしています。また、ポスターを掲示したり、報道系団体に取材してもらったりもしています。このような活動を通して制度や教職員・学生の意識を変えることを目指しています。

 最近だと、通称名を全学規則として認めてもらうための活動に力をいれていました。

 また、1月に開催された神戸大学ビジネスプランコンテストに有志で出場し、ソーシャル部門で優勝させていただきました。

――優勝されたのですね、おめでとうございます。コンテストでは、どのような内容をお話しされたのでしょうか?

神田:「現代版学生自治会」という、今の活動のプラットフォームをサイトにして事業化していくプランを提案しました。サイトに、たとえば「学費が高い」とか「生理用品を無償で配布してほしい」といった困りごとを書きこんでもらい、コメント・いいね機能で学生間の交流を促します。必要があれば、運営メンバーや投稿者が大学に掛けあったり解決法を調べたりして、その結果を共有し、情報を蓄積するということを提案しました。

久保:学生ひとりの活動だと、その人が卒業したら活動がそこで止まってしまうことがあるので、情報や資料を残していくことが大事だと思っています。また、サークルのメンバーだけでなく他の学生とも共有すれば、いろいろな視点や情報が集まって、成し遂げられることも増えるので、もっといい大学になるのではないかと思います。

神田:この活動が審査員の方に評価されて嬉しかったです。企業の役員の方々の前で話すのはすごく緊張しました(笑)。

youtu.be

――団体設立のきっかけについて教えてください。

久保:神戸大学に限った話ではないですが、大学に対して不満や要望があっても、それを言う手段や、誰に言ったらいいかわからないという学生は多いと思います。でも、私は学生と大学が一緒になって取り組めたら、もっと魅力的な大学にできるのにもったいないと感じていました。そのときに、ちょうど学生からの要望であった通称名の使用が許可されたこともあり、団体として活動を始めてみようと思いました。

 大学の方からも、ダイバーシティに取り組みたいけど、学生がどんなことに困っているのかわからないという話を聞いたので、お互いにコミュニケーションをとって取り組みを進めたいと思ったのも団体設立のきっかけです。

――お二人が参加したきっかけについても教えてください。

神田:大学院の研究室が同じ久保さんに誘われて、参加しました。私は学部生のときは違う大学に通っていて、自分が直接困ったことや要望はなかったのですが、人と話したり、自分について考えたりしていく中で、大学と距離があると感じていました。たとえば女性蔑視なことを含む発言をされたときに、頼るべきところが分からないとか。そんな思いをもちながら神戸大学に来た時に、久保さんから誘われました。草の根の力も信じていたので、学生から声をあげて大きいものに立ち向かうというのがいいな、と思って参加しました。

 活動に参加してみて、「声をあげれば変えられる」という経験や、「自分のもやもやを共有できる」という経験ができて、楽しいです。

伊東:私はキャンパスに貼られたポスターを見て参加しました。高校で生徒会に入っていて、ジェンダーレス制服の導入をしようとしたのですが、うまくいきませんでした。でも、大学では、この団体に入って少しずつでも自分が言えば変えられることがある、という経験ができてうれしいです。

久保:きっかけさえあったら、参加してくれるというポテンシャルはあるのかなと思いました。そして実際に何かを変えることができたら、自分達の力を実感できて楽しいですよね。

――活動を通じて、変化を感じたことはありますか。

久保:通称名を使えるようになったのは大きかったですし、実際変化したことも多いと思います。保護者の方など学外から持ち込まれる相談もあり、期待もされていると感じています。

――今後の取り組みや展望について教えてください。

久保:今後は「神戸大学における多様な性・ジェンダーに関する基本方針とガイドライン」の内容を深めていきたいと思っています。たとえば、通学証明書の性別欄について、他大学では廃止になった例もありますし、JRなど公共交通機関に聞き取りを行っても問題がないという回答を得ています。せっかくポリシーやガイドラインがあっても、活用することがないと権利が根付かないと思うので、それを基にみんなが過ごしやすい大学に変えていきたいです。また、異性愛前提の発言や女性蔑視、といった文化を変えていくことも必要だと思っています。

伊東:個人的には、今後はセクシャルマイノリティの問題だけではなく、生理用品の配布などもできたらいいな、と思っています。他大学で、生理用品を女子トイレに導入した例もあるので、進めていけたらと考えています。

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――最後にコメントを頂ければ幸いです。

久保:メディアに出なければならないわけではないですし、興味があったら是非体験に来てください。誰に言ったらうまくいくのか、どこで働きかけたらいいのか、関心を持ってもらうための企画を考えるなど、戦略的な思考が養える団体でもあります。大学自体がダイバーシティを推進していこうという姿勢があるので、私たちの活動もうまくかみ合っていると思います。

伊東:みんなが大学で過ごしやすくなるように、ちょっとずついろいろなことが変えられていると思います。

神田:活動していて、「自分は、困っていないし」と言われることが多いですが、それは特別なことだと思います。大学には、それぞれいろいろな背景を持っていて、困っている人がたくさんいて、また、それを言えない人もたくさんいると思います。困りごとを他人事と思っている人でも、問題を抱えている学生がいる、ということに気づくきっかけになれたら嬉しいです。

 

○取材をした人のコメント

少しずつでも自分が言えば変えられることがある、という経験は貴重なものだと思いました。神戸大をもっと魅力的にするために自分にもできることを考えてみようと思います。(法2・寺岡)

 

【食レポ】神戸大のコラボ商品食べてみた

神戸大学と企業のコラボ商品が販売されているのをご存知ですか?

産学連携の取り組みとして、大学の研究成果をいかし、地元の企業と共同で商品開発を行っているんです。今回は、農学研究科附属食資源教育研究センターで栽培・成育された生産物を使った3つの商品を食べてみたいと思います!

神のまにまに

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基本情報

感想

飲みやすさ:★★★★★

チョコレートに合う度:★★★★★

お土産にぴったり度:★★★★★

初めての日本酒におすすめ度:★★★★☆

  • 純米酒から大吟醸にグレードアップで、さらに香りが良く、甘く、飲みやすく感じる
  • 蓋を開けた瞬間から、バナナを感じるフルーティーな香りがする
  • アルコールのきつさやトゲを感じない
  • まろやかな口当たりで飲みやすく美味しい
  • 鼻に抜ける香りが心地よく、思わずもう一口飲みたくなる(の繰り返し)
  • バナナのような香りとチョコレートの風味が抜群に合う
  • ビターチョコレートと合わせると、チョコレートの中にある甘さがグッと引き出される感覚があり、とても合う。ビターチョコを食べる前後で味の印象が変わるのが面白い
  • スマートで高級感のある瓶とラベルで、贈り物にもぴったり
  • 帰省のお土産にもおすすめ!

②神戸牛 そぼろこんぶ

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基本情報

感想

素材の旨み度:★★★★★

そぼろの牛肉感:★★★★☆

ご飯にあう度:★★★★★

関西人に受ける度:★★★★☆

自分へのご褒美度:★★★★★

  • 味付けがしっかりしていてご飯のおかずにちょうどいい美味しさとなっていた
  • 関西人の口に合うように味付けされている
  • 高級神戸牛が使われていることで牛肉の味が噛んだら染み出してきた
  • 昆布の味がしっかりついていた
  • 食感はほろほろとしていた
  • 昆布の味が効いているなかに、神戸牛のうまみがマッチしている。生姜のアクセントもあって、ご飯に合いそう
  • お値段は少し高いが量も多すぎないので、自分へのご褒美にも最適!

③国産豚肉 肉じゃが~じゃがいも新品種『はりまる』使用~

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基本情報

感想

豚肉の美味しさ:★★★★★

ジャガイモの美味しさ:★★★★☆

味染み度:★★★★★

留学先へ持って行きたい度:★★★★★

  • 薄口しょうゆがしっかり効いた肉じゃが
  • ジャガイモは煮ても食感がしっかりと残っており煮崩れしにくい。噛めば噛むほど甘くなる!
  • 豚肉が非常に美味しかった。牛肉だと言って提供されたとしても豚肉だとは恐らく気づけない。ほろほろと口の中で崩れていく食感がよかった
  • 豚肉は肉汁の旨味成分が凝縮されていた。スープとの味の相性もよかった
  • ニンジンはそれ自体が非常に甘かった。また一番味が染み込んでいた
  • スープの味はうすくちの醤油風。塩辛すぎず味が薄いわけでもないほどよい塩加減。どちらかといえば甘さを感じるテイスト。香りも食欲をそそる
  • お手頃な値段!
  • お土産というよりは日常食用?
  • 温めなくても食べられる商品で、具も崩れないので調理しやすく食べやすい
  • 日本を代表する家庭料理かつ神戸大学のアピールにもなるので、海外へのお土産に最適

 

いかがでしたか?これらの商品は神戸大学生協の店舗や、各企業のネットショップなどで購入できます。

神戸大学の研究成果、ぜひご賞味ください!

 

関連リンク

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www.kucoop.jp

【12/25まで!】海神丸イルミネーションで深江から新たな"光"を

 今年の春から深江丸に代わり、神戸大学の新練習船として運用が始まった海神丸。この新しい船のことを多くの人に知ってもらうべく、広報活動が次々と行われているが、最新の活動として「海神丸イルミネーション」が行われているのをご存知だろうか。クリスマスシーズンに合わせて始まったこの試みを調査すべく、深江キャンパスへ取材に向かった。お話を伺ったのは、神戸大学海事科学研究科の藤本昌志教授(海神丸船長)、尾崎高司講師(海神丸機関長)、猪野杏樹助教である。

左から藤本昌志教授、猪野杏樹助教、尾崎高司講師

――海神丸のイルミネーションはどのような経緯で始まったのですか?

藤本教授:やろうと言い出したのは私でした。

猪野助教海神丸は新しくできたばかりで、知っている人もそんなにいません。皆さんにもっと知ってもらうために何をするかを考えた時に思い浮かんだのが、海技教育機構(練習帆船日本丸海王丸を含む5隻の練習船を運航し実習訓練を行う国土交通省所管の独立行政法人)の練習船で、白いイルミネーションなどで飾り付けがされていたりするんです。イルミネーションは、練習船が入港することでその港に来てくれる方や、練習船が好きだから見に来てくださるという方へのちょっとしたおもてなしです。海神丸のイルミネーションも同じ理由で、例えば、向かいの人工島にある東灘高校の生徒さんの通学路になっている橋から海神丸を見ることができるので、見て楽しんでほしいという気持ちで行っています。高校生ということで、これから大学受験ですし、海神丸を見てもらって受験の選択肢に入れてもらえたら良いんじゃないかというのも、理由の一つです。せっかく12月、クリスマスということで、ツリーをイメージした緑の電飾にして、高校生や地域の方に「こういう所があるんだ」と知ってもらえたらいいなと思っています。

船尾側、ツリーをイメージした電飾

尾崎講師:船をデコレーションすることは、まちの方々へのリスペクトでもあるんです。満船飾と言って、祝日や大学のイベントの日は、旗を上げて賑やかにしています。「おめでとうございます」という敬意を表すならわしで、電飾もその一つとなっています。前に勤めていた海技教育機構でも、港に着いたら皆さんに目で楽しんでもらうためにイルミネーションを行い、話題作りをしていました。また、海神丸では急にイルミネーションしよう・・と始まった訳ではなく、実は以前からこの船が建造されて(深江キャンパスに)戻ってきた時には旗を上げたり、こどもの日には鯉のぼりを揚げたりしていました。地域で鯉のぼりを揚げてお祝いするのと同じで、この船自身も子供(学生)の成長を願うということでお祝いしていました。そういう感じで、クリスマスシーズンを皆さんに電飾でちょっと楽しんでもらえたらと思います。

――現在はどのようなイルミネーションとなっていますか?

藤本教授:キャンパス内は安全のため立ち入り禁止ですが、21時まで点灯させています。(イルミネーションが始まった12月1日から取材日までの)2週間で、緑の電飾の線を足したり、星の飾り付けを大きくしたりしました。

尾崎講師:あまりギラギラしないように、上品なイルミネーションを目指しました。東灘高校方面へ向かう深江大橋から見るのが綺麗ですが、甲南女子大学あたりの山から見るのも良いかなと思っています。

深江大橋から見た海神丸

 

 また、同じく海神丸の広報の一環で学内・学外向けとして12月3日、4日に行われた、学生後援会主催の船内見学会についてもお話を伺った。

藤本教授:学内向けはそれなりに人が集まりましたし、学生向けの回でも他の研究科や学部の方が15名くらい来てくれました。保護者向けの回は、ホームページに案内を載せて3時間くらいで埋まってしまい、日程を一日増やしました。来年も学生後援会があれば開催します。

尾崎講師:他の学部で、海神丸のことを知らない方が知るきっかけになったらいいなと思います。「“海の神戸大学”がありますよ」という具合ですね。

一年のうち半分以上は深江キャンパスに停泊している

 新しい実習船や学部について知ってもらうべく行われている広報活動の中で、クリスマスシーズンに合わせて始まった海神丸のイルミネーション。たくさんの工夫が詰め込まれたイルミネーションは、きっと多くの人々の目を楽しませてくれるはずだ。イルミネーションは12月25日まで、日没~21時。

「学生を第一に考えた」こだわりの詰まった練習船、建造はコロナ禍真っ只中。

 今年の春から運用を開始した海神丸。その建造が始まったのは、2021年2月、まさにコロナ禍の真っ只中だった。そんな中でも実習が安全に行えるよう、海神丸には様々な工夫が施されている。今回、船内の案内と共に、猪野助教にお話を伺った。

猪野助教:船内の換気システムと船内の人が触れる箇所すべての抗菌コーティングはキャプテン(藤本教授)のこだわりです。どうしても実習になると人が密集するのは避けられない場合があります。そのため対策をする必要があるということで、船内の換気システム、船内全面の抗菌コーティング、各部屋一台の空気清浄機、机を仕切るアクリルボードなどを準備しました。聞いた話によると、換気システムについては、もともとはそういう設計ではなかったみたいですが、新型コロナウイルス感染症が流行り出し、急遽対策をした方がいいとなり、こういう仕様となったそうです。

アクリル板が設置された学生ホール

船内居室

 また、船橋(主に船を操縦する場所)の窓ガラスにはブラインドのような船専用のシェードが窓際に付いている。

猪野助教:紫外線は白内障緑内障のきっかけになるため目に良くないんですが、船に乗っていると、上からだけでなく海面や船体からも太陽光が反射して届くんです。そのため、陸上で生活するよりも海にいる方が、体に取り入れる紫外線の量は多くなります。航海士だとサングラスを持っている人も多いですが、性能の良いサングラスを持っている学生は少ないので、船に工夫をしています。練習船という特性上、主軸には学生がいるため、「快適に」というところは海神丸の重要なコンセプトの一つで、普通の商船にはない設備もあります。

青を基調としたスタイリッシュな船橋

 このように、学生を中心に置き、充実した練習船である海神丸は、すでに学生の学びを支えている。海洋政策科学部の中でも海技ライセンスコース航海学領域に所属する記者は、実習ですでに海神丸への乗船経験があり、その快適さを実感している。このような設備がキャンパス内に備わっていることは、私たちの誇りである。一部の学生しかそのことを知らないのはもったいないと心から感じているので、この記事を含め、広報活動を通して海神丸のことがもっと知られてほしいと思っている。さらに猪野助教は次のように語っていた。

猪野助教:航海士・機関士って、なろうとしても何をしたらいいか分からない職業だと思うんです。ですが航海士・機関士を目指してこの学部で学ぶ学生は、座学はもちろん、海神丸や(深江キャンパス内にある)操船シミュレータ、機関シミュレータでより実践的に学ぶことができ、座学とは違った学びもできるんです。

 船や海について実践的に学ぶ環境が最大限に整えられた深江キャンパス。きっと他のキャンパスとは違った魅力が見つかるはずだ。ぜひこの記事を目に留めたみなさんも、一度は深江キャンパスを訪れてみてはいかがだろうか。

 

海洋政策科学部・深江キャンパス・海神丸の最新情報は以下のホームページから

www.ocean.kobe-u.ac.jp

 

記事担当:佐伯美喜子(海洋政策科学部2年)

【取材報告】神大アポロンの魅力!~第60回定期演奏会を終えて~

 12月3日、神戸文化ホールにて、神戸大学混声合唱アポロン定期演奏会が行われました。本公演で引退する学生を含めた現役生だけでなく、OB・OGや客演者も多く参加する大舞台でした。観客席には、OB・OG同士で歓談する人も多く、歴史を感じる演奏会でした。
 今回はその定期演奏会を終えたアポロンの部員である松田さん、岩橋さんに取材をしていこうと思います。

――定期演奏会お疲れ様でした。本番を終えての感想を教えてください。

岩橋 リハーサルが朝からあって、バタバタしていたので正直疲労困憊でしたが、OB・OGさんとの合同ステージが特に楽しかったです。本番では今回の曲をOB・OGさんと歌うことのできる最後の機会という感覚もなく、普段の練習のような気持ちで挑んだので、終わった後にアドバイスを聞きに行こうとしていました(笑)。

 案外あっという間に終わったなと感じています。

――定期演奏会開催まで苦労したことはありましたか。

松田 OB・OGさんと少ない時間の中、打合せや練習をするのが大変でした。歌の練習自体よりも、それまでの準備で、メールのやり取りなど情報共有が特に大変でした。しかし、練習回数が少なくてもオンラインを活用して、遠方の方でも、各自で練習できるようにしていました。

 当日のミックスコーラス企画では、遠方の方や当日参加できない方のために動画を活用しました。バックスクリーンに事前に撮影していただいた歌唱動画を流し、一緒に歌っているようなステージにしたんです。指揮者の方が、リモート企画が得意だったり、動画編集ができる知り合いの方がいたりしたので、人脈をフル活用しました。コロナに負けないぞという姿勢を示すことにもつながったと思います。

――では、次にアポロン自体について。アポロンの主な活動内容を教えてください。

松田 年に何回かある演奏会に向けて、月木土の週3回、合唱の練習をしています。学生の合唱団としてはガチ度が高いのが特徴で、オンオフのメリハリをつけて活動をしています。

 合唱用の歌以外にも好きな歌を歌う会をしたり、合宿(※今年は2年振り)では、肝試しや観光をしたりもしています。

――なぜアポロンに入部しましたか?

松田 もともと合唱の経験はなかったけれど、興味があって入部しました。また、合唱主体のアポロンの雰囲気が自分に合ってそうだと感じたので入りました。

岩橋 元々合唱をやっていて、大学でもやりたいと思っていたので入部しました。向上心をもって取り組みたいと思い、それと同時に競争心が強すぎず、「みんなでうまくなろう」という感じがあったアポロンに入部することにしました。元々は女声合唱をしていたので、混声合唱に不安もあったのですが、紳士的な方が多くて安心したのも大きいです。雰囲気が良い団だと思います。

――その他アピールや言いたいことなどお願いします。

松田・岩橋 新入生に入ってほしいです!ガイドラインに沿って、感染症対策もしているので、安心して活動できます。人数が増えると歌える合唱曲も増えるので、ぜひ入ってほしいです!

 ちょっと興味がある程度の人、合唱曲以外でも歌うのが好きな人、みんなとワイワイしたいなという人も大歓迎です。部員の半数くらいは初心者なので、経験は気にせずに入ってきてほしいと思っています。

 顧問の先生曰く、「合唱で鍛えて、通りやすい声ではきはきしゃべることができるようになると就活にも有利!」だそうなので、メリット尽くしです!

 合唱だからと身構えずにぜひ興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

〇取材を担当した学生のコメント

 実際演奏会を観に行ったのですが、OB・OGさんが多く、歴史を感じました。また、取材時のアポロンの団員のお二人の様子を見ていると合唱が楽しいということが伝わってきて、こちらも楽しかったです。

(法2・寺岡)

 

 

【取材報告】神戸大学から始まるSDGs<後編> ~「泥臭く」SDGs推進室の活動と挑戦~

 「神戸大学SDGs推進室」をご存知だろうか。神戸大学では、大学規模でSDGsに取り組んでいる。SDGs推進室はその中心的な役割を担っており、イベントの開催など、大学・学生・企業をつなぐ活動を行っている。実際に、SDGs推進室の活動が、記事の前編で取り上げた「ボナクアウォーターバー」の導入に貢献していたことも明かされている。

 このように近頃、活動の存在感を増している「神戸大学SDGs推進室」。実は、令和2年度に発足したばかりだ。

 今回、SDGs推進室の過去・そしてこれからの活動について、神戸大学研究推進部連携推進課の柳澤愛理さん(SDGs推進室担当)にお話を伺った。(取材日:2022年5月31日)

SDGs推進室について

――SDGs推進室の主な取り組みは何ですか?

 現在、室の活動としては「プロジェクト連携」「神戸大学SDGs研究交流会」「神戸大学SDGsフォーラム」また今年度は通年で「神戸大学企業SDGs講座」というイベントを新たに開催しています。推進室では産官学連携を特色としており、ホームページには現在78社の研究交流会参加企業も掲載しています。

――SDGs研究交流会では何をするのですか?

 SDGs研究交流会は、参加企業がともにプロジェクトを進めたり、また「神戸大学SDGsフォーラム」などのイベントを通して企業や個人が交流することのできる場でもあります。SDGs研究交流会には企業の会員と個人の会員がいます。企業・法人単位で、また個人での入会もできますので、ぜひお申し込みください。

――SDGs研究交流会に参加したい学生は何をすれば良いですか?

 学生個人で入会を希望するのであれば、SDGs推進室のホームページから入会方法のページにアクセスして申し込んでください。会員は随時募集中です。

 また、学生に関していいますと、室では「学生SDGs推進プログラム」学生委員会というものがあり、室と一緒に活動してくれる学生さんを募集しています。実は、今年度から始めた「神戸大学企業SDGs講座」も「学生SDGs推進プログラム」の一環で、学生さんに関わってもらって実現したものです。

――学生委員会ではどのような活動をしているのですか?

 例えば昨年は、学生委員会「神大生のSDGs意識調査」を行い、神大生のSDGsに対する意識や行動について調べ、結果を公表しました(SDGs推進室のHPから見ることができます!)。SDGs達成に向けて企業や社会とともに主体的に活動できる場ですので、学生さんにはぜひ学生委員として参加してほしいですね。将来、起業を考えている学生さんにもおすすめです。 

――SDGsフォーラムや企業SDGs講座への参加には、SDGs研究交流会への入会が必須ですか?

 いいえ、イベントへの参加であれば、神戸大学の学生は入会不要です。イベントごとに参加を申し込めば、すべて無料で参加することができます。ですが、SDGs研究交流会へ入会すると、フォーラムなどのお知らせを個別に受け取ることができます。

企業SDGs講座について

――企業SDGs講座はどのようなイベントですか?

 今年度から隔月で行っているイベントで、大学構内の会場で企業の方に登壇してもらい、学生の前でSDGsに関する取り組みを中心に話してもらっています。講座の前半では企業の講演を、後半では学生と企業との交流会を行っています。交流会は対面での参加者限定ですが、講演はオンライン参加も可能なハイブリッド開催にしています。SDGsへの理解を深めたい、また企業のSDGsへの取組みに関して興味のある学生向けの講座になっています。また、企業SDGs講座で講演してもらう企業は、学生委員会が主体になって学生の手で選ばれています。学生目線で選ばれた企業に実際に来てもらい、交流できる貴重な機会なので、就活生にもおすすめしたい内容になっています。

――4月に行われた企業SDGs講座の様子はいかがでしたか?

 4月は三井住友銀行の方に登壇していただきました。初回だったので学生の参加は多くはなかったのですが、特に後半の交流会はとても面白かったです。交流会は前半で登壇された三井住友銀行の方と、SDGs推進室長、前半から司会を務めた学生さんなどを囲んで、参加者間でフランクに意見交換が行われました。この交流会では参加者側の学生や企業からズバズバ質問が飛び、踏み込んだ内容にも触れていました。

SDGsフォーラムについて

――SDGsフォーラムとはどのようなものでしょうか?

 SDGsフォーラムは、交流を目的とする企業SDGs講座とは違って、発表者の話を聞くことがメインになっています。まず企業の取り組みの発表があり、その後にパネルディスカッションが行われます。SDGsフォーラムの主な対象は、SDGsへの取り組みについての情報を求める企業や学生・教職員です。開催はZOOMを使用した完全オンライン形式にしています。直近では5月25日に、第6回となるSDGsフォーラムを「本質的SDGs」というテーマで行いました。今までのフォーラムの様子は神戸大学公式YouTubeチャンネルで公開されておりますので、ぜひ観てみてくださいね。

――近頃のSDGs推進室の活動はいかがですか?

 この最近で、やっと推進室としての活動が見えてきたばかりです。未だにSDGsに関する情報が混乱した状況ではありますが、神戸大学SDGs推進室での活動は方針立っていて、泥臭さでいえば神戸大学は一番だと思います。綺麗事を並べるだけではない方針が、実際の活動に繋がりやすいのだと思います。研究交流会に関しては、ネットワークの形成で暗中模索しているところです。

――これからどのような活動をしていきたいですか?

 学内にSDGs推進室の情報をもっと発信していきたいです。企業からの研究交流会の申し込みは増えてきましたが、学生の間での知名度はまだ高くありません。興味を持っていただいた方は、ぜひHPから情報をチェックしてみてください。

 

 このように、神戸大学では様々なSDGsへの取り組みが行われてきており、その中心的な組織としてSDGs推進室はこれからも活動を続けていく。始まったばかりの「ボナクアウォーターバー」による実証実験も含め、これから神戸大学で始まる新たな取り組みにますます注目するしかない。

 SDGs推進室が開催した直近のイベントは、6月の企業SDGs講座である。今回はトヨタ自動車株式会社のChief Sustainability Officerである大塚友美氏をゲストとして招き、講演会と交流会を行った。次回の企業SDGs講座は、関西電力株式会社 エネルギー・環境企画室 エネルギー・環境企画部長の平石雅一氏をゲストに、8月の開催を予定している。

 8月の企業SDGs講座の参加申込みはこちらから(神戸大学SDGs推進室 公式ホームページ内)

www.sdgs.kobe-u.ac.jp

 

関連リンク

神戸大学SDGs推進室の最新情報はこちらでチェック(神戸大学SDGs推進室 公式ホームページ)

http://www.sdgs.kobe-u.ac.jp/

www.sdgs.kobe-u.ac.jp

神戸大学SDGs研究交流会への入会案内はこちらから(神戸大学SDGs推進室 公式ホームページ内)

http://www.sdgs.kobe-u.ac.jp/meeting/activity.html

www.sdgs.kobe-u.ac.jp

SDGsフォーラムの録画はこちらから(YouTube 神戸大学公式チャンネル)

youtu.be

 

(取材・記事担当 海洋政策科学部2年・佐伯)

【取材報告】神戸大学から始まるSDGs<前編> ~ウォーターバーとマイボトルでリユース・リフィルに挑む~

 日本で4台目。5月30日、本学において新たな実証実験がスタートした。

 

 この度、神戸大学日本コカ・コーラ株式会社ウォーターサーバー「ボナクアウォーターバー」のオペレーションテスト(実証実験)を開始した。設置場所は、鶴甲第1キャンパスにある、神戸大学生協国際文化学部店の店内である。ボナクアウォーターバーの設置は、日本コカ・コーラ株式会社の本社、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの社員食堂、タイガー魔法瓶株式会社の社員食堂に続いて、日本で4台目となる。

 使用方法は、再利用可能なボトルを購入または持ち込んで、生協の店舗でウォーターバー利用料金を支払うだけ。マイボトルを持ち込んだ場合、一回の給水を60円で行うことができる。また、ボトルを利用しない場合、備え付けの紙コップを使用し70円で給水もできる。

ボタンを押すだけで給水できる。料金は前払い制。

 また、魅力はウォーターバー本体だけではない。ウォーターバーの真横に設置された洗浄機では、機械に押し当てるだけでマイボトルを洗うことができ、ウォーターバーの利用者であれば誰でも給水前に利用することができる。

洗浄機はマイボトルにも対応している。

 このウォーターバーは、容器のリユースに関する実証実験のために、神戸大学に設置されることとなった。

 今回、ウォーターバーの導入にあたって尽力された、神戸大学安全衛生コーディネーターの柴田信雄さんにお話を伺った。(取材日:2022年5月31日)

安全衛生コーディネーターの柴田信雄さん
――ウォーターバーで購入できるのはどんな水ですか?

 強炭酸水・弱炭酸水・常温水・冷水・お湯の5種類から選んで購入できます。すべて値段は給水1回あたり60円と変わりません。

――ウォーターバーで給水できるマイボトルの大きさに制限はありますか?

 給水可能なボトルかどうかは、ご自分のマイボトルの高さを、ウォーターサーバーの扉のイラストでご確認ください。扉に描かれているマイボトルの枠線の高さまでが安全に給水していただけるサイズとなります。

神戸大学生協 国際文化学部店のレジ左手に設置されたボナクアウォーターバー(写真右)とステンレスボトル回収箱
――このマイボトルリサイクルプロジェクトはどのように始まったのですか?

 タイガー魔法瓶株式会社が行っていた、ステンレスボトルのリサイクル活動に参加することになったのが始まりです。ステンレスボトルは年間1千万本ほど日本市場に出されていますが、使用後のステンレスボトルは今まで不燃ごみとして扱われてきました。タイガー魔法瓶株式会社はステンレスボトルの製造企業としてステンレスのリサイクルを進める活動を行っており、そこからリユース・リサイクルにも取り組むことになりました。昨秋、タイガー魔法瓶株式会社から神戸大学とリサイクル活動を一緒に実施したいとお申し入れがあり、それを機にSDGs推進室にマイボトルリサイクルプロジェクトが発足しました。

 一方、学校での実証実験先を模索しておられた日本コカ・コーラ株式会社に、本プロジェクトを始め神戸大学SDGs活動に興味を持っていただき、ウォーターバー設置のお話しをいただいて、【ステンレスマイボトルリサイクル】と【リユース可能なマイボトルによる給水サービスの提供】という二本柱で本プロジェクトが始動しました。

――どうして神戸大学で実証実験を行うことになったのですか?

 先ほども申し上げたように、神戸大学が積極的にSDGs活動の情報を発信していた積極性が評価されたと伺っています。また、SDGsへの関心が高い学生さんの多いロケーションで実証実験を行いたいという希望にマッチしたことも理由のひとつです。

――ウォーターバーの設置で目指すところは何ですか?

 リユース可能なマイボトルを含む容器の利用の習慣化を目指しています。日本人のマイボトルの所有率は80%ほどと言われていますが、実際にマイボトルを日常的に使っている利用率はその数字を10%以上下回ります。使用しない理由としては、かさばる・重い・リフィル(再充填)する適当な施設がないといったことが挙げられていますが、手軽にリフィルできる給水サービスを提供することで、マイボトルの利用率がどう推移するのか、リユース可能なマイボトルの携帯の習慣化や、給水サービスの普及にはどの様な課題があるのかを探るためにウォーターバーで実証実験を行っています。

――実証実験はどのように進めるのでしょうか?

 ウォーターバーの導入後、まずSNSを活用するなどをして、ウォーターバーの認知度を高めていきます。その後、アンケート等をお願いして情報を収集することになると思います。実験の一環として、ウォーターバーの無料券などのインセンティブも必要だと考えています。大学内への設置ということで主な利用者が大学生となり、Z世代とも呼ばれる次世代を担う人たちの動向や考え方を知ることが出来る実証実験結果が期待できそうです。同じように、ステンレスボトルリサイクルに関しても、どうしたら多く回収できるかなど、実証実験を通して学生の意見を聞きたいと思っています。まだ活動はスタートしたばかりなので、これからが実証実験の本番だと思います。

――ステンレスボトルのリサイクルはどのように進めるのでしょうか?

 同じようにステンレスボトルリサイクルに関しても、まずはそういった活動を大学でやっていることを知ってもらうことが重要となります。一度、専用の回収ボックスを何店舗かの生協売店に設置しましたが、その箱の目的を十分に認知してもらっていなかったので、一部はゴミ箱化してしまったなどがあり、一工夫が必要だと思っています。

 第3クォーター開始までには、生協さんにPOPの掲示などの作成を協力していただき、「ここに持ってくれば不燃物で捨てていたステンレスボトルが再利用できるんだ」ということを多くの学生・教職員に知ってもらうようにしていきたいと思っています。

 まだ活動はスタートしたばかりなので、一つずつ問題を潰していく模索の時期かと思っています。

 

 このようにスタートした「ボナクアウォーターバー」やステンレスボトルリサイクルは、神戸大学SDGsに関する取り組みの一環である。神戸大学では近年、SDGsに関する取り組みが盛り上がりを見せているのにはお気づきだろうか。その中心にいるとも言えるのが、「神戸大学SDGs推進室」の存在である。企業や学生を巻き込み、産官学連携を目指して活動するSDGs推進室とは一体どのように歩んできた組織なのか、記事の後編でその実態に迫っていく。<後編へ続く>

 

<うりぼーグッズ 待望の新商品発売!>

神戸大学公式キャラクター「うりぼー」の新グッズが、ボナクアウォーターバーの導入と連動して7月1日に発売された。ラインナップは、水から温かい飲み物まで入れることのできるステンレスボトルと、炭酸飲料にも対応した保冷専用ステンレスボトルの2種類。気になるうりぼーの柄は、神戸大学広報課Twitterで事前に行った投票の結果選ばれた、「泳ぐうりぼー」。本体の色はさまざま用意されているが、数に限りがあるため早めのゲットをおすすめする。神戸大学生協で販売中。

 

 

〇取材を担当した学生のコメント

 今回の取材を通して、神戸大学の中の新たな取り組みに触れ、SDGs関連のさらなる活動に興味を持つことができました。今回のウォーターバーはとても面白い取り組みだと感じており、どのように利用が進んでいくか楽しみです。私も実際に利用してみて、マイボトル洗浄機の便利さ、60円で購入できる量の満足感を味わいました。特別に見せていただいたウォーターバーの販売量から、炭酸水の飛び抜けた人気がよく分かり、ウォーターバーの目玉としての魅力になりうるのではないかとも感じました。しかし、実際に取材を通して、料金の支払い方や学生への周知など、課題も見えてきました。このウォーターバーの設置は実証実験であるので、様々な面から見た課題を受け止め、どのように改良し実用化へつなげていくのか、これからも注目していきたいと思っています。

 また、記事の後編で触れる「神戸大学SDGs推進室」の活動について、取材前はほとんど知らなかったものの、興味の湧く活動が見つかり、参加してみたくなりました。SDGsに関する神戸大学の最前線を覗ける取材になりました。ぜひ後編もお楽しみに。

(取材・記事担当 海洋政策科学部2年・佐伯)

 

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