神戸大学学生広報チーム・活動報告

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【取材報告】絵画ゼミ展「シンテンチテン」――それぞれの新天地へ――

 阪急六甲の隣り、王子公園駅から徒歩約12分、水道筋商店街の東の端にあるアートギャラリー「サイハテ」。そこで本日3月12日から開催されている、国際人間科学部の絵画ゼミ展「シンテンチテン」を訪れました。

 4年生の卒業制作展でもある本展示会、今年は国際人間科学部1期生および2期生の7名の作品が並びました。

 古民家のような親しみやすいギャラリー。足を踏み入れると、一瞬でアートの世界に誘われます。

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 まず、カラフルで目を引くのが右手の2枚の抽象絵画。「ゆめ」と「うつつ」で、理想を追求する林さんと、現実的な古垣さんの共同制作なのだそうです。お二人の見事なコラボレーションです。 

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 振り向くと、心地良さそうに目を閉じた女性の絵画が。これらの両隣を合わせた3枚も、古垣さんの作品です。ふと目覚めたときのぼんやりとした心地よさを、自身でも感じてみたくなります。近くからだけでなく、遠くからも眺めてみてください。 

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 幾何学模様を描いた作品は、荒井さんによるものです。ご自身の幾何学模様へのご関心の終止符となる作品なのだそう。その美しさに見入ってしまいます。

 

 

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 階段を上がると、立体作品が凛として展示されていました。松本さんの作品で、これからの可能性を感じてほしいとのことです。

 

  

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 続いて辻本さんの3枚の抽象絵画、こちらは現代的で躍動感が感じられます。思わずシンクロしたくなりました。

 隣は、眞下さんによるsolitudeがテーマの3作です。孤独と訳されますが、lonelinessとは異なり、一人の時間がポジティブに捉えられています。よく見ると非現実的な要素が散りばめられていて、細部にも注目です。

f:id:KobeU_stu_PRT:20210312183124j:plain 反対側の壁には再び荒井さんの作品。こちらは2点を合わせて鑑賞します。春からあまり会えなくなるという飼い猫の、寝息を立てて眠る様子を絵にされたのだそうです。暖かな色使いから、温もりが感じられます。

 

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 最後は、山本さんの鉛筆デッサンです。好きだという描かれた人物、そして自分を知ってもらいたいという思いから制作されたのだそうです。光の当たり具合、陰影による立体感も見所です。

 

 

 インタビューを通して、それぞれの作品に込められた思い、こだわり、伝えたいことが垣間見えてきました。

 


 展示場にはゼミ生の方が常に在廊しています。絵画ゼミや今回の展示について、代表して林さんにお話を伺いました。

――大学ではどのようなことを学んでいましたか?

 主に近現代の美術で、特に「抽象」という概念がどのようなものなのかを、創作を通して学んでいます。他にも、アートマネジメントや人間の知覚、ファッションのことなど、アートに関わる全般のことを幅広く学びました。

――シンテンチテンのコンセプトは?

 タイトルは4年生みんなで案を出しながら考えました。開催場所がギャラリーサイハテというところなので、「最果て」で「新天地」を表現する、相反するものを一緒にやる面白さを伝えられたらいいなと思います。

 また、僕たち4年生は、卒業した後はみんな別々の道に進みます。就職する人もいれば、大学院や、神戸から離れた場所で新しくアートを学ぶ人もいる。みんなそれぞれの場所に向かう中で、自分たちの表現が向かっていく先を“シンテンチ”と捉えています。

――開催にするにあたって苦労したことは?

 コロナ禍において、全員が大学に来ているわけではないので、情報の共有が大変でした。ZoomやSNSを用いて連絡を取る中で、ずれが生じたり行き違いになったりしてしまったこともありましたが、みんなで協力して無事に開催することができました。

 現在は広報活動に力を入れています。例年だとDMを直接手渡すことができたのですが、今年はそれが難しくなってしまったため、新しくTwitterInstagramでの広報を始めました。こちらもご覧いただければ嬉しいです。

――最後にメッセージをお願いします。

 この展示会はそれぞれが向かう新たなる場所“シンテンチ”を意識しています。表現者として、学ぶ者として、何を残すのかを是非ご覧下さい!

 

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 【シンテンチテン】

 2021.3.12.fri -3.17.wed 10:00-19:00 (初日のみ14:00-19:00)

ギャラリーサイハテにて 〒657-0059 兵庫県神戸市灘区篠原南町6丁目2-2

 

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