神戸大学学生広報チーム・活動報告

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【取材報告】ハラル推奨メニュー提供で全ての学生に安全・安心な食事を

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ハラルフードをご存知ですか。ハラルフードとは、豚肉やアルコールを摂取してはならないなど、戒律の厳しいムスリム(イスラム教徒)が安心して食べられる食べ物です。神戸大学生協食堂は2014年12月1日から、ムスリム留学生有志に食材、調理工程、提供方法について了承を得たハラル推奨メニュー「Recommendation HALAL Meal in Kobe University」をBEL BOXカフェテリアで提供しています。調理器具・道具をハラム(ノンハラル)と区別してハラルフードを調理しているのが特徴です。

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生協食堂栄養士・加藤真理子さん

生協食堂で最初にハラルメニュー「インド風HALALチキンカレー」が提供されたのはLANS BOX食堂。留学生センターが近くにあるため留学生が食堂で食事をとれるよう、生協がハラルフードの中でも提供しやすいカレーに着目したことがきっかけです。その後しばらく進展しませんでしたが、国際協力研究科の留学生から「食堂をもっと利用できるよう改善してほしい」、「カレー以外のメニューを食べたい」という声が寄せられたこともあり、スパイシーポテトとチキンカレーは毎日、ローストチキンと鯖または鰆の魚メニューについてはそれぞれ1日1メニューの提供が実現しました。

提供方法の特徴は、ハラルメニュー専用コーナーを設けず、同じブースで対応している点です。場所の区別をなくすことで皆が一緒に食べられる工夫がなされ、学生が手軽に注文できるようお手頃価格に抑えられています。注文者の大半が日本人で、留学生以外にも大好評だそうです。

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調理場では、ハラルメニュー調理区画が明確に指定され、用具は黄色いテープが目印。片付けも異なり、アルコール殺菌を控えるなど徹底されています。日替わりの「ローストハラルチキン トマトソース」と「さばカレー焼き」の調理風景を拝見。食材は、通常メニューと同じ空間にあってはならないため、タイミングを変えてオーブンに入れていました。

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(左から)経営学研究科・ステファニーさん、国際協力研究科・アリウンさん、国際協力研究科・ヤニスさん

ハラルメニューを愛食している留学生からは、ハラルメニューの種類増加を求める声がありました。生協食堂栄養士・加藤真理子さんは留学生を中心に意見募集中とのことで、「できればもう少しメニューの種類を増やしたり、BELBOXだけではなく、取り扱える店舗を増やしていきたいですね。このことによって、神戸大学ムスリム留学生も学内で食事ができる環境を作っていきたいと思います」と今後の展開を語りました。

○取材を担当した学生のコメント:

大学院修士課程 山田 洋平

取材にあたり、背景の調査から位置付け・当日の流れなど内容の検討、そして本番まで、基本的に一人で担当しました。企画書の作成に際し、基本事項の学習から始まり、生協食堂の新しい取り組みの重要性を引き出せるよう質問を考案。インタビューでは、留学生の要望を叶えるとともに、利用者全員が気軽に食べられる配慮に感銘を受けました。調理場は、スペースが限られた中でハラル対応が徹底。できたてを試食し、普段の料理と全く変わらず味で、「おいしい」の一言。ハラル対応の苦労を微塵も感じることなく、あっという間に平らげてしまいました。

これからも神戸大学の魅力を磨き、発信していくため、学生の声が届き、居心地の良いキャンパス作りに貢献できる広報活動を続けていきたいです

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