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海事博物館「ふね遺産 進徳丸」レポート

 令和3年7月、大学院海事科学研究科の前身である神戸高等商船学校の練習船「進徳丸」が、ふね遺産に認定されました。

 ふね遺産とは、歴史的で学術的・技術的に価値のある船舟類およびその関連設備を「ふね遺産」(Ship Heritage)として認定し、社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的とする活動です。この認定制度は日本船舶海洋工学会により2007年から始まりました。

 このたびのふね遺産登録・認定を記念して、また、進徳丸という練習船がこの世に存在したことの証として、神戸大学深江キャンパスにある海事博物館では特別展を開催しています。

 この記事では「ふね遺産 進徳丸」展示の様子をお伝えします。ぜひご覧ください!

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海事博物館入り口前

 ふね遺産第38号(非現存船第8号)に認定された進徳丸は、帆船練習船として約21年、汽船練習船として約16年、計1万人以上の船員を養成しました。その総航程は98万キロメートル(地球約24.5周)にのぼります。船名の「進徳」は、進水の年に発生した関東大震災に際して発布された国民精神作興に関する詔書中にある「知徳併進」の一節からとったもので、海に学ぶ若人たちに対して徳育の必要性を特に強調し、その成果を期待するためだったとされています。

  展示室では実際の船に使用されていた看板や装飾品、模型などを見ることができます。奥のモニターでは、昔の動画や進徳丸船歌が流れています。

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展示室の様子

 日本史上最大のバーカンティン型練習帆船だった進徳丸。その全長は109.10メートル、総トン数は2,518.42トンにもなります。

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進徳丸の模型(100分の1サイズ)

 進徳丸は関東大震災の3ヶ月後(大正12年12月)に進水し、戦禍を経て、昭和42年に神戸商船大学構内に陸上げ、進徳丸保存会により保存されます。その後、阪神・淡路大震災で船体一部が崩壊し修復不能となって終わるという、震災に始まり震災に終わる生涯でした。

 海事博物館では、その波乱に満ちた生涯を数々の展示で時代背景とともに辿ることができます。どなたでも無料でご覧いただけますので、近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

 


海事博物館企画展「ふね遺産 進徳丸」

【開催日時】 2021年7月30日(金)~2022年5月27日(金)

         毎週金曜日 13:30~16:00 (祝日を除く、要事前予約)

         ※ただし、12月23日(木)から2022年1月16日(日)は休館

       9月12日(日)まで緊急事態宣言発令のため臨時休館中です。

【場  所】 神戸大学大学院海事科学研究科 海事博物館

       神戸市東灘区深江南町5丁目1-1

【入 館 料】   無料

【主催者等】

  主 催 : 神戸大学大学院海事科学研究科(海事博物館)

  協 力 : 一般社団法人 海洋会

         同窓会 海神会

 

関連リンク

www.museum.maritime.kobe-u.ac.jp