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【取材報告】本番直前インタビュー「初心者向け/マニアック!? 神戸大学交響楽団定期演奏会の楽しみ方」

2018年12月23日(日)に開催される神戸大学交響楽団第68回定期演奏会まであと少し!ということで、定期演奏会について、交響楽団チーフマネージャー・中村成吾さん(経営学部3年)と、広報チーフ・内海壮一朗さん(工学部3年)にお話を伺ってきました。

今回は、「クラシック音楽に精通している人にもそうでない人にも楽しめる定期演奏会の特徴」というテーマで、見どころ聴きどころ、楽曲の説明を分かりやすく、そしてマニアックに解説していただきました。15秒PR動画も掲載しておりますので、お二人の息ぴったりのPRと、その熱意を感じつつ、ぜひご覧ください。

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――—今回の定期演奏会の曲目について、お二人なりに曲の説明をお願いします。

内海さん:まず、最後に演奏するチャイコフスキーの『交響曲第5番』は、有名で人気がある曲だと思いますね。

中村さん:そうですね。テレビ番組のVTRのBGMに使用されているのを聞いたことがあるので、おそらく聞き覚えがあるという方は多いと思います。この曲は、神大オケ(神戸大学交響楽団)ではだいたい5年に一度の周期で演奏されているらしく、前回演奏された時の完成度が高すぎて、演奏するのが怖いというのを聞いていて…。前回の演奏を聴いた方々からは、それ以上のクオリティが求められると思うので、その意味でハードルの高い曲でもあります。

内海さん:場所は違いますが、12月22日と24日に行われる別の団体の演奏会でも、このチャイコフスキーの『交響曲第5番』が演奏されるんですよ。お客様に比較されうるからこそプレッシャーもありますが、神大オケならではの演奏をお届けできたらいいなと思っています。

――—ちなみに、マニアックに言うとどのあたりが聴きどころだと思われますか?

内海さん:マニアックに!?そうですね…人それぞれだとは思うのですが、僕が個人的に好きなのは、第二楽章の冒頭のホルンのソロですかね。弦楽器が作る静かな和音の中で、ホルンによるチャイコフスキーらしい素敵なメロディーが演奏されるのですが、それが好きです。

中村さん:シブい(笑)。

――—二曲目はどうでしょうか?アッテルベリの『交響曲第4番』。この曲、私は題名も見たことがないです。

中村さん:この曲は、知らない人の方が多いと思います。僕らも馴染みがなかったぐらいで、演奏される機会もあまりない珍しい曲です。これを曲目に加えた理由としては、クラシックに詳しい方、マニアの皆さまの興味を引きたいというのもありまして。楽譜はスウェーデンから取り寄せるしかなかったので、それは大変でしたが、今回は特に贅沢な演奏になると思うので、ぜひ聴いていただきたいですね。

内海さん:そうですね。今回客演指揮としてご指導していただいている新田ユリ先生は、プロの指揮者の方の中でも特に北欧の音楽に精通していらっしゃる方でして。そんな新田先生のもとでアッテルベリの『交響曲第4番』を演奏させていただける神大オケはかなり贅沢ですし、この曲の演奏に加わる団員一人一人がこの機会を大切にしていると思います。また、これを機にお客様にもアッテルベリの良さを知っていただきたいですし、そんな演奏をしてみせたいですね。

中村さん:この曲は、ソロでメロディーをつないでいくような構成なので、神大オケの団員のスキルが試される曲でもあります。この曲を演奏して感動していただけたら、自分の演奏に自信が持てるでしょうし、かなり嬉しいと思います。

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――—さて、演奏順としては最初に演奏される『魔笛』序曲ですが、私はこの曲は聞いたことがあるような気がします。

中村さん:そうですね。この曲は、最初にご紹介したチャイコフスキーの楽曲と同程度か、それ以上に知名度のある曲だと思います。『魔笛』という歌劇そのものが有名だと思いますが、この物語の最初に演奏される曲ですね。この曲の作曲者は言わずと知れたモーツァルトですが、実は神大オケがモーツァルトの楽曲を演奏するのはかなり珍しいことなんです。そういう意味でも見どころですし、他の二つの曲と聴き比べるというのも一つの楽しみ方だと思いますよ。

――—というと?

中村さん:今回演奏する曲の作曲家たちが活躍した時代は、チャイコフスキーとアッテルベリが1800~1900年代で、モーツァルトだけが1700年代と離れていますよね。モーツァルトの楽曲は他二人よりもっと前の「古典派」の音楽に分類されるんです。つまり、ジャンルとか、曲の雰囲気が全く違うんですよね。クラシックに明るくないという人にもはっきりとわかるくらい違いますし、比べて聴くことができるというのは、とても面白いかもしれません。

――—ちなみに、マニア的な聴きどころはどうでしょう?

中村さん:いや〜難しいですってそれは(笑)。

内海さん:難しいな(笑)。そうですね…。うまく説明できるか分かりませんが、作曲家によっては、カロリーが高いというか…曲を聴いていると気持ちが高揚するけど、でもすごく疲れる曲というか。決して悪い意味ではないですが、そういう曲をよく制作する作曲家と、あっさりしていて、BGMとして流していても気持ちよく聴ける感じの曲を主に作る作曲家がいまして。モーツァルトは後者だと思いますが、『魔笛』序曲は、彼が作曲した中ではかなり聴きごたえがある曲だと思います。亡くなる直前に書かれた曲でありながら人気も高いので、モーツァルトの最後にして最高の傑作とも言われています。音楽に精通していなくても楽しめますし、マニア的には「あ〜、モーツァルトってやっぱり天才だな」と思える曲だと思います。

中村さん:そして上手く演奏できなかったら「あ〜、このオーケストラ下手くそだな」と思われてしまう曲でもあります…。お寿司屋さんの腕を判断するのに注文される卵みたいな。この例えが適切かちょっとわからないですけれども(笑)。とにかく実力がモロに出てしまう曲です。教科書通りにやりつつ、楽団の個性をにじませていく必要があったりします。

内海さん:この曲は学生指揮者が指揮をする唯一の曲でもあるので、やはり神大オケの「色」というのがはっきりと出てくると思っています。そこは面白い部分であり、工夫が必要で少し大変な部分でもあって、先ほどお話ししたチャイコフスキーの曲とはまた違った難しさがありますね。演奏していて楽しいのですが、プレッシャーも大きいです。

――—そういえば、昨年、当日に演奏会を取材させていただいた時、「ロビーコンサート」というのも見どころの一つだなと感じました。

中村さん:開演前に、ロビーで短時間行う演奏ですね。団員の中から、ロビーコンサートをする数名のグループを2組作って演奏を行います。メンバーはその練習もしているみたいで、たまに音が聞こえてきます。ただ、実は僕たちも何の曲を演奏するのか全く知らない状態なんですよね(笑)。

内海さん:なので、残念ながら正確にお伝えできないのですが、演奏会の日程はクリスマス直前なので、もしかしたらクリスマスソングも聴けるのではないかなと思います。ロビーコンサートに出演する団員たちは、だいたい毎年「本番よりもロビーコンサートの方が緊張した!」と言っています。

中村さん:多分、お客様との距離がかなり近いというのもあるし、ホール内とは音の伝わり方が違うからですかね。団員にとってはミスが目立ちやすくてプレッシャーが大きいと思いますが、お客様にとっては、確かに見どころの一つになるし、楽しんでいただけるのではないでしょうか。

――—最後に、この記事を読んでくださっている方に向けて一言お願いします。

内海さん:現在、詳細はポスターなどに記載しておりますが、チケットぴあ、芸術文化センターチケットオフィスの電話窓口にて、演奏会のチケットの取り扱いをしています。そろそろ完売するかもしれませんので、入手はお早めに。当日、満席も目指したいところです。よろしくお願いします。

中村さん:完売はマストですね!満席は当日キャンセルなどが出るので難しいところではありますが、去年が歴代で一番の集客だったので、広報としてはそれを塗り替えたい。ぜひ、お越しいただきたいです。よろしくお願いします。


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内海さん、中村さん、取材へのご協力ありがとうございました。定期演奏会当日が今からとても楽しみになりました。クリスマスイブ前日、電飾の明かりに目が眩み始める頃合いです。街の彩りも良いものですが、神戸大学交響楽団ならではの「色」を、耳で感じに出かけてみるのはいかがでしょうか。「チケットの入手はお早めに。」どうぞお忘れなきように。よい休日を、お過ごしください。

15秒PR動画

チケット取扱い

関連リンク

取材を担当した学生

  • インタビュー:文学部3年 小林 優奈
  • カメラ:経営学部3年 藤田 奈菜子