神戸大学学生広報チーム・活動報告

メンバーが取材した神戸大学の情報をお届けします!

【キラリ☆神大団体】Vol.15 タベモノガタリ~世界人口を「おいしい!」で満たす~

みなさん、神戸大学には熱い思いをかなえるため奮闘する学生がいます。今回は、「ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテスト2018」という大会で入賞し、起業を目指す「タベモノガタリ」の代表、竹下友里絵さん(農学部4回)にインタビューしました!

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――—「タベモノガタリ」とはどのような団体ですか?

今年の4月に3人のメンバーで立ち上げた組織で、「世界人口を「おいしい!」で満たす」ことを理念にしています。

現在、日本のように食べ物が余っている国がある一方で、世界には十分に食べられずに貧しい思いをしている人たちが多くいます。フードロス(=人が食べるためにつくられた食料が、失われたり捨てられたりしてしまうこと)を減らすことや、一次産業をもっと強くすることで、食のアンバランスを解消したいです。

組織の名前は、「世界中に食べる人の物語を作り続ける」という思いからきています。

――—現在はどのような活動をされていますか?

現在は神戸市を中心に、既存の流通に乗らない野菜・果物を仕入れて販売するということを主にやっています。サイズが大きすぎたり傷がついていたりすると、野菜は売り物にならず廃棄になることが多いです。そういった野菜を少しでも減らそうと、最初はこちらから農家さんのところへお願いにいって交渉していましたが、最近は農家さんの方から声をかけられる機会も増えました。

他には、同じように食べることができるけれど売り物にならない果物を、パン屋さんやケーキ屋さんに販売したり、一般の方に販売したりしています。ゆくゆくは農協と協力したいと考えています。

――—「タベモノガタリ」を立ち上げたきっかけを教えてください。

フードロスの問題に取り組もうと思うようになったのは、高校生の頃にカナダに留学したときのできごとが原体験となっています。ホストファミリーの家で、大量の食べ残しを当たり前のように捨てているのを見て、私は衝撃を受けました。この体験をずっと忘れることができませんでした。

起業を真剣に考え始めたのは大学3年生の夏で、起業した方の講演会に行ったのですが、生き生きと話しておられる姿を見て、私もあの台に立ちたい!と強く思ったのがきっかけです。

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――—ビジネス大会で賞をとられたとお聞きしました。どのような大会だったのでしょうか?

「ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテスト2018」という大会で、ソーシャル・ビジネスの登竜門と言われています。ノーベル平和賞受賞者であるバングラデシュのユヌス博士が提唱するソーシャル・ビジネスを具現化するために、若者による革新的なソーシャル・ビジネスを創出することを目的とした大会です。

約140チームの中から書類選考が行われ、合格したチームには、メンターが付き、自分達の考えを深めるワークショップを4回程度行った後、10月末の本番に臨みました。

一番難しかった所は、自分の食に対する思いをどのようにビジネスに落とし込むかという所です。ビジネスにしたときに自分の達成したい思いとずれていないか、何度も考え直しました。ワークショップを重ねる中でメンバー3人がまとまってきて、またユヌス博士が話している「株式会社はビジネスをやるけど、株主はお金を入れた分しか返ってこない。利益は皆が豊かな暮らしができるように使うべきだ」という言葉にすごく共感していたので、最後まで頑張ることができました。結果、優勝はできませんでしたが、3つの企業賞をとることができ、その中のボーダレス・ジャパン賞の特典で色々な補助をして頂けることになりました。

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――—11月25日に開催されるイベントについて教えてください。

「食都神戸未来会議」というイベントで、神戸市が現在掲げている「ローカル料理を楽しむ」という考えに即したイベントになっています。テーマは「ミートニューオイシイ」。「おいしい」について参加者皆で考えようと思っています。当日は、神戸の食を最前線で考えておられる様々な人をお招きして、トークセッションや飲食ブースを設置する予定です。このイベントを開催するためにクラウドファンディングを行うなど、様々な苦労があったので絶対成功させたいです。

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――—これからの目標を教えてください。

まずは生まれ育った町、神戸を「おいしい」で満たしたいと考えていますが、その後は他地域への展開も行いたいです。

また、最近ではTED×KobeというTEDの神戸版に学生で初めて参加させて頂くといった経験をしました。これからも自分の限界を決めずに色々なことに挑戦していきたいです。

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関連リンク


取材を担当した学生

経済学部3年 前田 真我

竹下さんの熱い思いを聞かせて頂き、このような神戸大生がいることに驚きました。神戸大学には「起業家育成ゼミ」という起業したい人を補助する大学公認のプログラムがあるようです。少しでも興味のある方は一度調べてみてはいかがでしょうか。


※起業家育成ゼミ

起業家ゼミとは、神戸大学出身の起業家を輩出するための起業家育成集団です。そのために 13名の神戸大卒の経営者の方々が集結しました。今年で4年目を迎える当ゼミは、その経営者が講義を行い、大学の講義では決して学ぶことのできない、“知識” ではなく“精神”の部分を徹底的に鍛え上げ日本の将来を担う人材を生み出します。