神戸大学学生広報チーム・活動報告

メンバーが取材した神戸大学の情報をお届けします!

【キラリ☆神大団体】vol.2<東北ボランティアバスプロジェクト>~現地での交流を大切に~

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今回取材させていただいたのは、神戸大学東北ボランティアバスプロジェクトのみなさんです。2011年4月から岩手県の釜石(市)大槌(町)山田(町)と陸前高田(市)で現地の人々との交流を大切にしながら被災支援を行っている皆さん。

今回はメンバーの

  • 陸前高田
    工学部3年 伊庭 駿(いば すぐる)さん
    経営学部2年 瀧田 遊馬(ゆうま)さん
  • 釜石班
    発達科学部3年 中田 有梨咲(ゆりさ)さん
    国際文化学部2年 浦田 慈右(じゆう)さん

の4人に話を伺いました!


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中田有梨咲さん

――神戸大学東北ボランティアバスプロジェクトの主な活動を教えてください。

中田:神戸大学東北ボランティアバスは、神戸大学学生ボランティア支援室が実施するプロジェクトで、通称ボラバスと呼ばれています。陸前高田班と釜石班の2班に分かれ、現それぞれの活動場所にある仮設住宅・復興住宅に住んでいる方々を訪問し、イベントを開催したり、足湯をしたり、お茶を囲んで話したり、地域の祭りに参加させてもらったりと、現地の方々との交流を行っています。

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伊庭駿さん

――現地の状況は?

伊庭:陸前高田のほうは、交通網の整備が進んでおり、訪れるたびに目に見えて景色が変化しているのを実感しています。5年がたち、住居の移り変わりが激しい時期。被災者の方々の心情面でいうと、仮設住宅で生活し、次の住居が決まっていない人は日々の生活に不安を抱えておられます。また、災害公営住宅への移り込みが決まり、前向きに捉えていたが、いざ入居すると周りに知り合いがおらず、孤独を感じている人もいます。

中田:釜石大槌(でも、行く度に道路の整備が進んでいることが目に見えて分かります。しかし、山田では被災時のままであったり、復興住宅が建設途中であったり、と同じ岩手県でも町によって復興スピードに差があります。元の場所に戻りたいという人もいれば、高いところに移り住む人もいたり、復興住宅に移り住みたいという人やこのまま仮設住宅でいい、という人もいます。

――皆さんが感じるボラバスの魅力はなんですか?

  • 現地の人との交流し、絆を深められること。
  • 視野が広がること。
  • 今までの自分であれば行わなかったであろうことに挑戦する気持ちが芽生えて実行できたこと。
  • 現地のおばあちゃんが作る美味しいご当地料理を食べられること。
  • 悩みや思いを学生同士で語り合うコミュニティがあること。
  • お祭りを現地の人と一緒に楽しむことができること。

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瀧田遊馬さん

――ボラバスに参加しようと思ったきっかけと活動を通じて得た気づきがあれば教えてください。

瀧田:高校生の頃から現場に行きたいという思いとボランティアに対する興味がありました。大学生になって、サークルの先輩からこのボラバスを紹介されたことが参加のきっかけでした。高校時代とは違い、大学ではボランティアに参加できる機会と時間が十分にあります。

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浦田慈右さん

浦田:実際、現場に行くとメディアから得られる情報だけでは分からない、生々しい状況や被災者の感情を知ることができます。活動に何度も参加することで、復興による景色の変化や生活の変化を実感することができます。しかし、現地の人々と交流すると、内面的な部分ではまだまだ課題が山積していることに気づかされます。神戸で試行錯誤を重ねて出した計画や考えも、現地では通用しなかったり、そもそもの前提が覆されたりと毎回壁に直面。その度に一から考え直していくことで、本当に求められるボランティアの在り方に少しずつ近づけられたらいいなと思います。

――ボラバスのこれからの課題と展望とは。

伊庭:震災から5年が経ち、人々の関心の薄れや支援金・ボランティアの人数の減少が顕著になってきています。そのなかでボラバスの活動の規模の縮小はやむを得ない部分があることも事実です。しかし、神戸大学ボランティアバスの強みは、神戸という遠い土地から被災地に行き続けることによって、現地の人々に「忘れていない」という思いや希望を与えられることにあると思います。現地の生活が変わることで、ボラバスに求められるものも変わってきています。今まで通り現地の人々との交流を大切にしながら、求められるボランティアの在り方を模索し、活動を続けていきたいと思います。

○取材を担当した学生のコメント:

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海事科学研究科博士課程前期課程1年 村上 秀隆

「取材をしている中で、百聞は一見にしかず』という言葉が印象的でした。メディアの報道では知ることのできない現場の状況や、人の温かさを体感できることは、貴重な機会だと感じました」

 

 

 

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経済学部3年 首藤 ゆい

「『大学生にできることは何なのか?』『神戸からできることは何なのか?』を常に考えながら活動している4人の姿に感銘を受けました。今回の取材を通じて感じたことは、ボランティアに参加する理由は何であれ、行動しなければ何も始まらないということ。そして、ボランティアの継続が一番の被災地支援になるということ。自分のこれからを考えるうえでも、今回のインタビューは良い刺激になりました」

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