第2弾は、ベルギー出身のアンソフィーさん(国際文化学研究科博士課程前期課程1年)と韓国出身のヨンスさん(国際文化学部3年生)に話を伺いました。
――自分の所属しているコースと、研究内容についてお聞かせください。
ア「芸術文化論を学んでいます」
ヨ「日本語学を専攻しています」
――日本に留学した理由、その中でも神戸大学を選んだ理由は?
ア「14歳くらいのときに清少納言の『枕草子』のオランダ語版を読みました。そこでみた、お歯黒、どこまでも長く伸ばしている髪、抜いたまつげ。これまで全く出会ったことのない異文化の世界に惹かれ、日本に興味を持ちました。神戸大学に来る前の大学でも上記のような専攻をし、日本への関心は衰えることなく留学するに至りました。
神戸大学には、『ダブルディグリー』(連携先の大学との相互認定により、一定の期間中に両大学の学位を取得できる制度)というプログラムがあります。他大学ではあまり実施されていないプログラムであり、他の友達から神戸に関するいい情報を聞き、神戸大学を選びました」
ヨ「昔から学校教育の中で日本のことを知る機会はありましたが、そのどれもがよく扱うものではありませんでした。『日本は本当にこんなところなの?』と疑問が。韓国の大学でも日本語学を専攻したり、観光で日本を訪れたりもしていたので、留学に踏み切りました。 私、春入学をしたかったんです。留学先として東京にある大学などがありましたが、春入学ができるのは神戸大学だけでしたので、神戸大学を選びました」
――日本に来て驚いたことはありますか?よいと思うところ、悪いと思うところを教えてください。
ア「ベジタリアン向けの食べ物が少ないことに驚きました。よいなと思うのは、交通の便が発達している、時間を厳守する、店員が親切などサービスが充実している、困ったときにすぐ助けてくれる、安全、食べ飲み放題が充実しているところ、などたくさんありますね」
ヨ「日本と韓国の生活はほとんど似ているんですが、交通費が高いですね。あと、ネット注文の配達が遅いところとか。良いところは、食べ物が美味しいところですね」
――少林寺拳法部の活動について、詳しく話を聞かせてください。
ア「武道は初めての体験です。武道は『martial arts』(マーシャルアーツ」と書くように、戦うのではなく、根本は芸術の一種です。ヨーロッパのスポーツでは勝ち負けが重視されますが、少林寺拳法は勝敗よりも精神的なものを重んじているところが美しいです。忍耐力や筋肉がつきました(笑)」
ヨ「昔、剣道で黒帯になったことがありますが、剣道は剣がないと対応できない。それに対して、少林寺拳法では実戦に向けた練習ができ、楽しく意義を持って励んでいます」
――少林寺拳法部に入ったのはなぜ?
ア「スポーツをやりたかったんです。『部活で忙しいかな?』と思って心配していたし、最初は少林寺拳法のことを全然知りませんでした。ヨンスが誘ってくれて入部しました。守りがメインで攻撃的でないところに、他の武道よりも関心を持ちました」
ヨ「韓国の大学で部活をやっておらず、日本では部活をやりたいと思っていました。少林寺拳法部で日本人の友達に出会い、入部したいなと。もともと武道のような、攻撃的でないものを探していました。合気道か少林寺拳法で迷いましたが、韓国にはない少林寺拳法を選びました」
――これからの展望や目標、夢などについて教えてください。
ア「日本文学がとにかく好き。これからも研究を続けたいです」
ヨ「日本人は好き。でも政治的にはもめています。両国ともに解決しなくてはならないとは思いつつも、解決していない。相手国のことを間違った解釈で教えています。そのようななかで、固定観念とか間違った解釈を払拭できるよう、真の魅力を様々な形で伝えていきたいです」
○取材を担当した学生のコメント:
経済学部2年 菅沼 俊哉
「留学生2人にに取材し、両者のしっかりとした考えに刺激を受けました」