昨年11月、鶴甲第一キャンパスにオープンしたラーニングコモンズ。利用している学生も多数いると思いますが、あまり知られていない部分もあります。今回、神戸大学ラーニングコモンズについて、神戸大学ラーニングコモンズ運用準備委員会座長で人間発達環境学研究科の蛯名邦禎教授、国際文化学部研究科の西田健志准教授、各キャンパスの附属図書館事務担当者に話を伺いました。
――—そもそもラーニングコモンズって何?
コモンズとは共有地という意味の言葉で、大学のラーニングコモンズは、受け身的な勉強ではなく、様々な考えを持った学生が集まって皆で新しいものを「創造」できる場所とされています。
――—神戸大学のラーニングコモンズはいくつあるの?
現在は、鶴甲第一キャンパス、社会科学系図書館、人文科学図書館、情報基盤センター分館の計4つです。
――—神戸大学ラーニングコモンズの特徴は?
神戸大学は標高差のある立地条件やキャンパスが点在していることから、小規模なラーニングコモンズを多数、分散型で設置を進めているところです。
――—鶴甲第一キャンパスラーニングコモンズの特徴は?
設立に携わられた蛯名先生によると、様々な学生が行き来する鶴甲第一キャンパスにラーニングコモンズがあることに意味があるそうです。授業をはじめ部活・サークル活動でいろんな学部の学生が集まる国文キャンパスだからこそ、皆で学びを「創造」することができるわけですね。他にも空間的な特徴として、1Fには自由に考えを書き込んだり、イベントの告知をしたりできるホワイトボードが壁一面に貼られていたり、移動自由の椅子や机があったりと協同的な活動が行いやすい工夫がなされています。
――—みんなここで何をしてるの?
ラーニングというと勉強をする場所のように思われますが、使い方は自由。課外活動のミーティングやイベントの説明会も行われています。参加も自由ですが、何かを主催するのも自由です。1Fは飲食もできるのでリラックスしながらの話し合いもできますね。もちろん自習もできますし、空調設備もあるので待ち合わせにもいいかもしれません。また、ホワイトボードや無線LAN、電源コンセントなど協同学修環境が整っていますので、プレゼンテーションにも最適です。
――—ラーニングコモンズに行ってみよう!
運営に携わっている西田先生は、「ラーニングコモンズを利用して、学生たちにどんどん面白いことをしてほしい」と話してくれました。知らない人同士が繋がりあって新しいことを始める。ラーニングコモンズがそんな場所になるといいですね!
〇取材を担当した学生学生のコメント:
国際文化学部5年 小島 久和
「設置・運営に携わっておられる先生方の話を聞くなかで、自分自身、利用者である一人の学生としてどのようにラーニングコモンズに関わっていけるだろうかと考えさせられる時間になりました。先生方の話にもありましたが、ラーニングコモンズは、利用者皆でより良い施設にしていくことに価値があると思います。できたばかりの施設ですが、今後どう変わっていくのかが楽しみになりました」
経済学部1年 田中 裕大
「私は蛯名教授をはじめとした多くの教職員や各種委員の、ラーニングコモンズ設置に対する思いや学生への期待があってからこそ今のラーニングコモンズがあるということに気づきました。そして神戸大学ならではの問題である『離れた』キャンパスをつなぐものとして設置されたラーニングコモンズに魅力を感じました。学部間の壁を越えた、交流が今後できればいいなと願っています」